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わたしのサステナブルライフ ~未来のためにできること~

環境社会貢献サステナビリティSDGs

このコラムでは、未来のために社員1人1人が普段の生活で行っているサステナブルな活動について紹介していきます。

第4回インタビュー 城戸智子さん

1999年、チャコット株式会社入社(株式会社オンワードホールディングス、グループ会社)。2012年からマネージャー。2020年からCHACOTT渋谷本店店長も兼任。
 私が行っているサステナブルな活動は、コンポスト(※1)を活用して日常生活の生ごみから堆肥を作り、その堆肥を利用して野菜を育てることです。

(※1)コンポストとは「堆肥」や「堆肥をつくる容器」のことで、家庭から出る生ごみや落ち葉、下水汚泥などの有機物を、微生物の働きで発酵・分解させて肥料に変えます。
 祖母が農家だったこともあり、私の家には畑があります。その畑には昔からプラスチック製の大きなコンポストが2台置いてあります。

 物心付いた頃から両親がコンポストを使っていたので、私もそれを使うのが当たり前の環境で育ってきました。自然の力を利用した栄養たっぷりの堆肥で育てた野菜は本当に美味しいです。母や私が作る野菜を食べて育った娘は、「お家の野菜が世界一!」と言います。家のご飯が好きなので、外食にはほとんど行きたがらないです。
 コンポストには様々な種類がありますが、私が使っているコンポストの容器には底が無く、生ごみを入れて、定期的に土と一緒にかき混ぜます。すると数か月で生ごみが微生物によって分解され、土と同化して栄養価の高い堆肥ができ上がります。夏は気温が高いので堆肥ができるのは早く、冬は時間がかかります。

 コンポストの中に入れるものは、食事を作る時に出る野菜くずに限定するようにしています。肉や魚、骨などは分解に時間がかかるので避けています。ただ、どのような堆肥を作りたいかによって、入れるものは変わります。私は入れませんが、例えば、卵の殻は分解されにくいのでそのまま土の中に残りますが、カルシウムなどの栄養素を加えたい場合には有効かと思います。

 一方で、調理したものはほとんど入れません。基本的に食べ残しはしないように工夫していて、残った場合は他の料理に加工して使い切るようにしています。生ごみを出さないようにしているので、可燃ごみを捨てるのは週に1回です。一般家庭より少ないかもしれません。
 休みの日は農作業を手伝っています。今はチンゲン菜や春菊、かぶ、ほうれん草などの野菜を育てています。収穫した野菜は、ご近所の方や職場の仲間、友達に分けています。できる限り無農薬で育てているので、虫が収穫前の野菜を食べてしまうこともありますし、カラスやハクビシンなどの動物も畑に来ます。今年は落花生が全て食べられてしまいました(笑)。
 コンポストは誰にでもできると思います。今は様々な種類のキットがあるので、小さなスペースでも簡単に始めることができます。そして、でき上がった堆肥で野菜を育ててみて欲しいです。成長過程を楽しみながら、野菜ができた喜びを感じられますし、食卓の彩りも変わると思います。
 「サステナブルな活動を意識している」というよりは、自然とそれを考える環境で育ってきたので、「当たり前のこととしてやっている」という感覚です。また、コンポストの他に、太陽光発電や下水処理のための浄化槽があります。しかし、太陽光発電は日中しか使えないので、夜は電力会社から電気を供給してもらっています。今後の私の課題は蓄電池を装備することです。生きるために必要なことだと思うので、できる限りのことは自分でやろうと考えています。

 自然が好きですし、家族のためにも今の生活を続けたいと思っています。
<SDGsとの関係>

 城戸さんが行っている「コンポスト」は、実はSDGsと深い関係があります。

 日本の生ごみは年間で約2,150万トン発生しており、その内の半分以上である約55%が家庭の生ごみです。しかし、全体の約22%が堆肥や飼料に再利用されているのに対して、家庭の生ごみは約2%しか再利用されていません。

 コンポストを活用することによって、生ごみが堆肥を作るための資源となります。資源を無駄なく活用することは「つかう責任」を果たし、食物を循環させることができます。そして焼却処分をされる生ごみが減ると、CO2が削減され、「気候変動に具体的な対策を」とることにも繋がります。

 コンポストには様々な種類があり、畑を持たない方でも小さなベランダからチャレンジできます。コンポストと家庭菜園で循環型社会の実現を目指してみませんか。
※SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な世界を実現するため」の2030年までの国際目標です。