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わたしのサステナブルライフ ~未来のためにできること~

環境社会貢献サステナビリティSDGs

このコラムでは、未来のために社員1人1人が普段の生活で行っているサステナブルな活動について紹介していきます。

第5回インタビュー 金子恭子さん

2011年4月オンワード樫山入社。JOSEPH MENデザイナーを経て、2012年からDAKSデザイナー。
 私が行っているサステナブルな活動は、大切な服を長く着ることです。

 擦り切れてしまった服は当て布をしてミシンで縫ったり、穴の開いた靴下は手縫いをしたりして、どうすれば修理ができるのかを考え、可能な限り長く使う工夫をしています。
 最近は、移染(色移り)のために着られなくなったお気に入りのTシャツを染め直して復活させようと思い、泥染めで有名な奄美大島に行きました。時間をかけて自分で染めたことで、このTシャツはさらに愛着の湧くものに生まれ変わりました。
 服を大切にするようになったきっかけは、友人に勧められた「ザ・トゥルー・コスト」という映画を見たことです。ファッション業界の裏側を描いたドキュメンタリーで、海外の過酷な環境下で仕事をしている人々の姿に衝撃を受けました。今は安くてかわいいものが簡単に手に入る時代ですが、当たり前に買っていたものの裏側に悲しい出来事があったと知って、衣食住に対する価値観が大きく変わりました。

 ものを買う時には、作られた背景をより調べて選ぶようになりました。生産者への投票だと思って、応援する気持ちで買い物をしています。働くすべての人々が安全な環境で、豊かな気持ちで仕事ができるようになると良いと思います。また、古着はもともと好きでしたが、まだ着られる服を捨てずに次の人に提供することは、改めてすごく素敵な事だと思うようになりました。
 染め体験で訪ねた奄美大島の染工所では、本藍染めの青、草木染めの黄色、泥染めの黒を重ねていき、絵の具のように色を出す染め方をしていました。どの染色方法も原料は自然のものだけを使っているので、環境に影響がありません。泥染めに使う泥は染工所の裏庭の池の中にあり、作業をする場所に生き物が入ってこないように囲いがあるだけでそのまま池に繋がっていました。
 この泥染め体験を通して、地球に負担をかけない生産現場を全身で感じることができたことは嬉しかったです。実際にサステナブルな物づくりを、染めにもこだわって全てできたら素敵だと思いました。しかし、天然の原料を使うことは手間や時間がかかり難しいことだとも体感しました。
 無理をして一気にやりすぎると続かなくなるので、原料を変えるなど、仕事においてもできるところから少しずつ変えていき、環境に寄り添うことが大事だと考えています。私生活でも、楽しみながら気が付いたところから実践して、無駄なものをそぎ落としていけたらと思います。昔の日本の‘“もったいない”の精神を大事に、現代に合わせた生活をしていきたいです。
<SDGsとの関係>

 金子さんが行っている「服を長く着ること」はSDGsと深い関係があります。

日本の家庭で廃棄される服は年間約48万トンあります。今ある服を捨てずにもう1年長く着ると、日本全体で約4万トンの廃棄削減につながります。廃棄される量を減らし、焼却する時に発生するCO2が削減できれば、「気候変動に具体的な対策を」とることができます。

また、1年間で1回も着られていない服は一人あたり25枚もあると言われています。必要な服だけを買うようにして、古くなった服は手を加えることで、また着られる服に蘇ります。古着としてリユースすればみんなで着まわすこともできます。思い入れのある一着を長く着ることで「つかう責任」が果たせ、環境への負担を減らすことにつながります。

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※SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な世界を実現するため」の2030年までの国際目標です。